2.黙ってれば美人な幼なじみ【東卍】

▽一度きりのやり直し ページ15

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『改めて自己紹介な。私は知っての通り、未来では女優やってた財前A。あの日、多分ニュースになっただろうけど、私はマイキーに撃たれて死んだ』


「マイキーくんに撃たれて…！？ でも死んだって」


『うん。死んだら私は過去にいた。年齢は4歳…そこから私の二度目の人生が始まった』


「！？」



タイムリープ、というよりもそれは一度限りの意識だけのタイムスリップ……俺のように現代に戻れず、その時代に時間の流れと共に生きていく。



『で、お前は？』


「あ、俺は＿＿＿」



Aさんに現代でのこと、ヒナの弟である橘直人と握手することでタイムリープが出来るということ。
今知っている現状を全て話したこと。



『なるほどなるほど……え、握手すると過去に飛ぶってなに？？』


「いや、俺に聞かれても！！」


『お前当事者だろうが！！』




なるもんはなるんです！！！



「えっーと、Aさんは今までなにを…」


『この年になるまで、ずっと考えて行動してきた。未来のマイキーを助けるために、一番の問題だった佐野家の修復とか、真一郎の救済とかな』


「！」



マイキーくんから聞いた、十個上のお兄さん……でもその人は本来死んでいるけど、Aさんが助けたのか！？



『なあタケミっち』


「はい？」


『マイキーは、どんなやつ？』


「え…」


『お前の目で見たマイキーはどんなやつなの』


「俺の目で見たマイキーくんは……現代ではヒナを殺した組織のトップ…でも、此処ではまだ明るくて、仲間思いで子供らしい一面がある人、ですかね」


『…そうか』


「そういうAさんは…？」


『私？ 私からすればマイキーって弱いんだよ』


「え！？」


『あ、待って言葉が足りなかった。心が弱いの』





心が…？
どういうことだろう。





『マイキーは確かに喧嘩は強い。そんなのよく知ってる…でもさ、アイツのメンタルはお豆腐並に脆い』


「！」


『前のマイキーはさ、失うものが多すぎたんだ』


「失うもの…」


『マイキーの心を支えていた兄、友人、妹…中学生で沢山失った』


「っ…！」


『…前、アイツに助けられたから今度は私が助けるの』









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