第15話「異能力」 ページ17
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うちは修との話が終わると遊真の隣のブランコに座った。
『ねえ遊真、訊いてもいい?』
遊「なに? どうしたのAさん」
『どうして君の【時間】は止まっているの?』
遊「……!!」
どうしても訊いてみたかった。
彼の「身体」の成長はずっと止まっている。
遊「…なんでAさんが…」
『特殊な能力を使ってね』
遊「特殊な能力、ね。 それってなんなの? チョウノウリョクってヤツ?」
『 まあ意味は同じかな? 『常識では起こりえない現象を起こす特殊な力』…うち等はそれを『異能力』と云う。』
遊「イノウリョク…ふむ。 違いがよくわからん」
『ははっ…それでうちには『時を操る』能力を持っている』
遊「時って事は時間を? もしかして昨日のイルガーの時、人が一瞬にして居なくなったのってAさんのイノウリョクのせいってこと?」
『そゆこと… この能力で時間を止める事、戻す事が出来る…まあ流石に死人は戻せないけどね』
遊「なるほど…Aさんは時を操れるから俺の身体の成長に違和感を感じたのか」
『うん…だからその真相を確かめようかなって思ったけど厭だったら厭って云っていいから』
遊「ううん、全然いいよ。 Aさんは何か信用出来るし。
……これは四年くらい前かな───」
遊真はポツポツと話し始めた。
四年前、近界のとある国で父 空閑有吾さんと云う人物と戦争に加担していた事、ある日敵国の黒トリガーによって遊真は殺られ死ぬはずだった──が、有吾さんが自らの命を遊真に差し出して黒トリガーとなった事。
『で、その指輪が黒トリガーってことか』
遊「うん。 俺の本当の身体はこの黒トリガーの中に封印されてる…でも不老不死じゃなくて少しずつ死に近づいてるんだ」
『死にか…成程ね。 ありがとう話してくれて』
遊「いいよ。 Aさんには知ってもらいたかったし」
『そっか。 あ、素朴な疑問なんだけど昨日のイルガーの時、尻尾の方に鎖が付いてたんだけど…それって遊真が犯人でしょー』
遊「見られてたか…めんぼくない。 そうだよ。 Aさんは俺を本部に連行する?」
『しないしない。 それに昨日は遊真のお陰で助かったもんだしね。
改めてお礼を云うよ…ありがとう』
遊「いえいえ。 抑々オサムからお願いされてたんで」
おー…修も隅におけませんなー!
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三斗(トリップ願望者) - 完結表示になってますけどまた再更新してほしいです! (2022年9月4日 8時) (レス) @page38 id: ee0c8201a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロラク(プロフ) - すごく面白いです!続きがすごく楽しみです (2022年6月7日 20時) (レス) @page38 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
テンプラさん(プロフ) - 終わった…??更新待ってます…! (2021年12月6日 22時) (レス) @page38 id: ac3994717f (このIDを非表示/違反報告)
ばってん(プロフ) - 更新待ってます (2021年3月15日 16時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
ダメウサギ - 太宰さんキターー中也さんは、いつかな〜 (2020年6月18日 18時) (レス) id: 1dbfdfda29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雄里 | 作成日時:2020年5月23日 10時