平成のホームズが居るなら平成のモリアーティが居たっていいじゃない【名探偵コナン】

. ページ4

.






「Aちゃーん、新作発売おめでとう！ サインちょうだい！」


『感想は？』


「推理が苦手な俺でも凄い惹き込まれる作品でした。つまり最&高です」


『よろしい』



私はスラ〜っと本にサインを入れた。
すると目の前の人物はヒャッホゥ！ と赤い帽子を被ったおじさん並に元気よくその場で飛んだ人物の名は萩原 研二。

その隣で鉄拳を落としたのはヤのつく職業みたいな恰好をしている天パ小僧の名は松田 陣平。
掛けているサングラスを外すとあら不思議。 可愛らしいお顔が現れる。

二人とも私の大切な幼なじみである。



『私、今度さ、防護服着なかたわー、余裕のよっちゃんで爆弾を解除した後、解体しないでその場で煙草吸ってた挙句にタイマーが復活したせいで爆死した阿呆な爆処隊員の話を書こうと思ってるんだけどさあ』


「俺の古傷を抉らないで。あとあの時はマジでありがとうございました」


『それでその隊員の命日に発売しようと思うんだよ』


「死んでないよ！？ 生きてるからね、ほら目の前に居るよ！！」


「何処に居んだよ」


「声は聞こえて姿は見えないってか！？」


『んで続編が、その阿呆な隊員の仇討ちの為に移動して最終的にその命日に観覧車で爆死する馬鹿な刑事でー』


「…………悪ぃ」


『悪いで済んだら警察は要らない』


「「すんませんでした」」


『陣の場合、またなんかやらかしたらこう言ってやる』


「あ？」


『陣平が死んだっ！ ってね』


「おい中の人ネタやめろ！」



実際の話は結構前に起きたのだが、今でも私は根に持っている。
そりゃあ、爆弾設置した犯人は憎くて仕方ないよ？ だって幼なじみ二人を失うところだったし。
でも阿呆で馬鹿な行動を取った幼なじみに怒りを覚えたのもまた事実。

多分小学生以来だと思う。



『お萩は私が友達と共に聞こえる声で罵倒しながらもこれから起きることを予想した結果、お萩は爆死しなかったし、陣の場合私がたまたま米花中央病院に居て、犯人による厨二病じみた文章を解読し、爆弾を見つけたおかげで助かったし』


「Aちゃんは俺の女神です。だから結婚しましょう」


『………浮気しそう』


「幼なじみ信用しよう！？」


『お萩と結婚するなら陣と結婚するわー』


「んじゃ、今から役所行くか」


『頭沸いとんのか』



今日も米花町は平和です()





.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す