この手を【赤】 (ページ19)

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「おつかれ〜！！！」
死ぬほど白熱した体育祭。ギリギリのところで追い抜かせた。勢い余ってゴールテープに突っ込んでもたけど。

最後の最後できまり悪いて。格好つかんわ。
泥だらけになったジャージをはたいて汚れを落としながらみんなのおるところに戻った。

「大毅くん、お疲れ様！かっこよかった」
走ってこっちに来てくれたAは呼び方が戻ってた。
来てくれたのは嬉しいけど嬉しくない。

重「応援ちゃんと聞こえた。やから勝てたんかも」
小さくありがとうを伝える。疲れてその場にしゃがみこんだら顔に着いた泥がタオルで拭われた。

神「俺たちも頑張ったんですけどー笑」

「ふふっ、3人もお疲れ様」

重「、、、あかん」
Aにしか聞こえへん声でつぶやく。おかん取られた子供みたいに嫉妬して思わず手を引っ張って近くに寄せた。

神「、、、じゃあ俺ら先行っとるから笑」
ほらはよ行くでーって他のふたりの背中押す神ちゃん。、、あ、これはわざとやったな。まんまと嫉妬してもうた自分に少し恥ずかしくなった。

「ふふっ、もう行ったよ？笑

大丈夫、かっこいいと思ってるのは大毅くんだけだから」

頭を撫でられながら言う。目を合わせようとしゃがみこんで駄々こねた子供をあやすみたいに頭撫でられる。

あぁ、俺やっぱり単純なんかも

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