この手を【赤】 (ページ2)

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重「なぁ、神ちゃんホンマにどうしよ」

神「え、まだ悩んどったん？1年ときからじゃなかった？

てか、普通に話しかけに行ったらええやん。

1年ときから思っとったけどあんなに授業中とか絡んでんのに喋ったことないってなんなん？」

同じクラスの神ちゃんが理解できないという顔で聞く。
それもそうやんな、だって話したことない"だけ"なんやもん。

重「いや、ちゃうねん。話そ話そって思ってたらいつの間にか2年経ってて話しずらくなってもうたんやもん」

新しい学年になって初めての朝練が終わって教室で窓の外見ながらボーッとだべってた。

神「あ、噂をすれば」

神ちゃんが突然言うから思いっきり心臓がはねた。
ブレザーにパーカーを着てヘッドホンをしながら登校してくる椎奈さん。

なんの曲聞いてんのやろとかこの時間帯に来るんやとか思ってたら突然バチッと目が合う。

目が合うやいなやこっち見ながら手を振る椎奈さんはほんまにどうしょうもないくらいやっぱり可愛ええなって。

神「ほら、しげ椎奈さん手振ってくれてんで」
なんてニヤニヤしながら言われてやっと手が動いた。絶対顔緩んでた、やばい。

神「なんで手振ったり出来んのに喋られへんの？」
重「んなもん俺が聞きたいわ」

暑くなった顔を机に突っ伏してぶっきらぼうに答えた。
なんか今日は楽しく過ごせそう。

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