私には時間がないの‥ 【呪術廻戦】 (ページ6)

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今更だが私は、スカウトで高専に入学したのではない。呪術師の家系で入学したのだ。

_柊家
多くの呪術師を排出させてきた、御三家ほどではないが歴史が長い名家。
現在も男尊女卑の意識が絶えず、実力のある女性でも男の一歩後ろを歩かないといけない

私はそこの当主の一人娘として産まれた。
女だから、跡継ぎにはなれないという理由で父親は私に無関心だ。母親は私を産んだ時に死んだらしい。会ったことがないから、悲しいとは思わなかった。

でも、当主の娘には変わりなかったから術式が発現した頃から訓練をさせられた。

何度も死にそうになった。いっそのこと、こんな地獄から解放されたいと、自殺を試みた。でも、毎回邪魔されて、1日中折檻された。

そんな日常の中、私に無関心だった父親から呼び出しがあった。

‥

「お前の嫁ぐ家が決まった。」

会って早々、そう言われた。意味がわからなかった。呆けた顔をしていると、

「柊家の安泰のためにお前は胎となれ。今まで家に置いてやったんだ。恩を仇で返すような馬鹿はしないよな？」

たい、胎‥？何を言ってるの？目の前の男は？私は娘じゃないの？何で雑に扱えるの？

ああ、そっか私は娘じゃない。道具なんだね

何を言わない私を放置し、男は続ける‥

「お前の嫁ぐ家は、五条家だ。御三家に嫁げるんだ。しかも、あの五条悟との結婚だ!!嬉しいだろ？」

五条家、御三家、五条悟、どうでもいい‥
嫌だ、嫌だ、好きでもない人と結婚だなんて‥

でも‥でも、私には拒否権なんてない。
従わないと生きていけない。

『‥‥はい。嬉しいです。』

‥
あれから、男は言う事がなくなったのかすぐ私を部屋から追い出した。
そこから、流されるままに過ごした。
五条悟との婚約が言い渡されたあの日から今までやっていた訓練・任務と勉学に、礼儀作法がプラスされた。

起きる→訓練→朝食→任務→礼儀作法→昼食→礼儀作法→勉学→夜食→訓練→寝る

これの繰り返し。

それから呪術高専に入学することが決まり、
同級生との顔合わせの際、初めて五条悟と会った_

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次回『入学初日』
主人公の回想シーンはもう少し続きます