シルバーの相棒 (ページ4)

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episode 2 ページ4

こちら側も少しずつ、険悪になりつつある。と、七草真由美が口を開いた。

「摩利、もう良いじゃない。本当にただの見学だったのよね？」

いつの間にか名前で呼ばれていた達也だったが、この助け舟を無駄にはできない。真面目くさった表情で頷くと「お前、真面目か」と悠がぼやいた。しかし、真由美には貸し一つとでも言いたげな笑みを浮かべていた。
『うわっ、猫被ってっぞ。オレも覚えてぇー』
…何言ってんだとでも言いたげな顔で見る達也だったがすぐに逸らした。

「生徒同士で教えあうことは悪いことではありませんが制限があります。このことは一学期に教わる内容です。魔法を発動を伴う自習活動はそれまで控えた方が良いでしょうね」

真面目な表情に戻ってそう話す姿を見て、摩利もまた、形式を意識した言葉遣いで話を続けた。

「…会長がこう仰られていることでもあるし、今回は不問とします。」

『かっちかっちだな、言葉が』

「お前、ちょっと静かにしてろ。もう少しだから」

慌てて姿勢を正し、一斉に頭を下げる。悠も渋々だが。そんな一同に見向きもせず、摩利は踵を返した。
だが、一歩踏み出した所で止まった。

『…何だよ、早く帰れよ』

そのままの状態で問いかけをした。

「君達の名前は？」

首だけ振り向いた目は二村を捉えていた。

「一年E組、司波達也です」

「一年E組、来栖悠」

「覚えておこう」

二人して反射的に「結構です」と言いそうになっていたが、ため息と共に飲み込んだ。