10話 ページ15
弔兄さんがヒーロー殺しに手を伸ばす。が、刹那の差でヒーロー殺しの左手の刃物が弔兄さんの肩に刺さった。
「弔兄さん！？」
私は弔兄さんに駆け寄ろうとした。
「ヒッ！！」
鼻先数センチにヒーロー殺しが右手の刃物を突き出す。
流し目で見るヒーロー殺しはとても怖く、私では敵わないと悟ってしまった。
腰が抜けて、ペタンと尻餅をつく。
ヒーロー殺しはそんな私を一瞥し、弔兄さんの首のすぐ隣りに刃物を突き立てる。
「貴様らの一団に俺も加われだと？なにを成し遂げるにも信念、思いがいる。無いもの、弱いものが淘汰される。当然だ、だからこうなる。」
「ﾊﾊｯいってぇ…こいつ強すぎだろ…黒霧、こいつ返せ」
弔兄さんに声をかけられても黒霧さんの身体は動かない。
おそらくヒーロー殺しの個性だろう。
「…ヒーローが本来の意味を失い、偽物が蔓延るこの社会も、いたずらに力を振りまく犯罪者も、粛清対象だ」
そう言って右手の刃物を弔兄さんの"父さん"の手に近づける。
「ちょっと待て待てこの掌はだめだ」
そう言って、弔兄さんがヒーロー殺しの刃物を五指で掴む。途端に刃物がボロボロと崩壊する。
「殺すぞ」
弔兄さんの声は明らかに殺気を含んでいて怖くなった。
「口数が多いなぁ…信念？んな仰々しいものないね。強いて言えば、そうオールマイトだなぁ…あんなゴミが祭り上げられているこの社会をめちゃくちゃにぶっ潰したいなぁとは思っているよ」
弔兄さんの拳をかわして、ヒーロー殺しが飛び退く。
弔兄さんが立ち上がり、首を掻きむしりだした。
目の前に弔兄さん、すこし離れた背後にヒーロー殺しステイン………
ちょっと待て、なんで私を挟んで睨み合ってんだこの人達は。迫力ヤバいんですけど…
「せっかく前の傷が癒えてきたのにさぁ。こちとら回復キャラが居ないんだよ、責任とってくれんのかぁ？」
そう言いながら、さりげなく私を立たせて抱きしめる弔兄さん。不覚にもキュンとしてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ペペペロンチーノ - 星の数を200にしちゃった、、、、しかも神作品で星を200にできるって自分運よすぎ！！！ (2021年4月28日 23時) (
レス) id: 012b797ce5 (このIDを非表示/違反報告)
雨霧駿(プロフ) - 龍波さん» 龍波様、コメントありがとございます！三ツ葉ちゃんはきっと弔兄さんと個性なしで互角の腕相撲が出来るほど腕力があるんだと思いますよ笑 これからもよろしくお願いします！ (2017年11月2日 16時) (レス) id: 9f0c91b106 (このIDを非表示/違反報告)
雨霧駿(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» かぁびい様、ありがとございます！日にちはバラバラになると思いますが更新は必ず2話以上することを決めています。これからもよろしくお願いします！ (2017年11月2日 16時) (レス) id: 9f0c91b106 (このIDを非表示/違反報告)
龍波(プロフ) - もみじ跡付くほどの強さってw (2017年11月2日 8時) (レス) id: b207821b52 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - たくさん更新がされていて、跳び跳ねん勢いで読ませていただきました！夜分に二回目のコメント、失礼します！受験生とのことで、毎日目が回るほど忙しいことと思います。無理なく更新頑張ってください。影ながらですが、これからも応援しています！ (2017年11月1日 21時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨霧駿 | 作成日時：2017年10月4日 19時
