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慎太郎の結婚式から数日が経った。
変わらぬいつもの職場に変わらない人間関係。
ボーッと一点を見つめてるといきなり現れたドアップの樹。
樹｢おい、A｣
驚いて思わず大きく目を見開く私にいつものテンションとは少し違うような声で話しかける彼。
｢なによ、心配でもしてくれるの｣
樹｢どーせ落ち込んでんだろ？｣
ほらやるよ、とデスクの上に私の好きなミルクティーを置いて私の顔を覗き込んでくる彼。
樹も幼なじみの1人で唯一慎太郎のことを好きな私の気持ちを知っていて、
てか教えたつもりないんだけど勘が鋭いから気づかれてたってだけなんだが。
｢そりゃね。28歳にもなって付き合ったことすらない上にずっと一人の人に片思いして結婚なんて夢のまた夢って感じで、現実突きつけられた。｣
そう言ってる自分に切なくなってきて紛らわすかのように樹からもらったミルクティーを口に含めた。
しばらく私の様子を伺うように黙っている樹。
いつもうるさいくらい話しかけてくるくせに急に静かになると逆にどうしたらいいか分からなって、
｢なんか話してよ。｣
さすがに無言の空気に気まずくなり私から口を開くと樹が私の目を見つめてくる。
樹｢まぁ、もしお前に結婚相手現れなかったら俺が貰ってやるよ｣
｢は？何言ってんの。そういうノリの冗談やめて。｣
今回ばかりは本当に傷ついてるのに。
樹｢ノリじゃねーし｣
｢樹がそういうこと言うのはノリしかないから｣
樹｢じゃあそういうことにしとけバーカ｣
口が悪いのは昔から変わらないんだから。
まぁ、今回は慰めてくれてる？から許してやるか。
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作者名：かのん | 作成日時：2019年3月11日 14時
