最高峰《短編集》 (ページ4)

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… 進歩 koｰchan ページ4

wtnb…｢｣貴方…『』
．

｢あーーあれやってなかった｣
｢ちょ、昨日のクイズのやつ見た？｣
｢明日も仕事だわごめん｣

最近東京大学法学部を卒業したこうちゃん
毎日慌ただしくせかせかと仕事をこなしている。

『…』

数ヶ月前私はこうちゃんに告白されて彼女になった

付き合ったのはいいものの、
LINEもほとんどしないし、日常会話もほとんど無い
目も合わせることも無い。

遊び？嫌な疑問が頭をよぎる毎日

．

進展しないこの関係
仕事で忙しいという現実

シャワーを浴びてからベッドの上のスマホを開くと

こうちゃん今から家行っていい?

『…え、』

少し驚いて固まっていると玄関のチャイムが鳴る

．

｢お酒とかお菓子とか色々買ってきたよ、｣

『ありがとう』

沈黙を避けようとどうにかして小さな会話を続ける
嬉しいのか緊張しているのか上手く話せない。

どういった目的でうちにやって来たのか検討もつかない。2ヶ月目にして別れ話か？？？
そんな不安がよぎる

少し暑くて窓を開ける
今日は満月だ

ぼーっと窓の前で立ったまま月を見ていると
こうちゃんが私を後ろから優しく抱きしめる

｢…ごめん｣

いつもより弱くて今にも消えてしまいそうな声が
私の耳元で響く。

｢俺…Aのこと好きすぎて…素直になれなくて
避けちゃってた。｣

嫌いとかじゃない＿私を避けていたのは

｢ちょっと、話そっか｣

．

『こうちゃんってそういう所もあるんだ、』

ソファで2人お酒を飲んで
お互いにほどよく酔いが回る

｢好きな子のことになると意地張っちゃうんだよ｣

何だか少し照れくさくて思わず目を逸らす

｢照れてるの？可愛いじゃん｣

こうちゃんは私の頭を優しく撫でた。

『私、…嫌われたと思ってた』

心の内を打ち明けると
こうちゃんは少し焦ったように、

｢な、嫌いになるわけないじゃん。やめろよ｣

そう言って
分かりやすいぐらいにくっついてくるこうちゃん

『素直じゃないんだね、』

そう笑ってからかうと

｢お互い様でしょ、｣

『…あたっ』

こうちゃんに軽くデコピンされた

『ね、可愛いって言ってよ』

｢は？やだ。恥ずかしいもん｣

そう言ってこうちゃんはそっぽ向く
耳がほんのり赤い

『じゃあもういい寝る』

拗ねたフリして離れようとすると
手首を掴む

｢…A可愛い｣

『ずるい…』

｢言わせたのはお前だろ｣

『明日も来てくれる？』

｢そのつもりだよ、｣

．