最高峰《短編集》 (ページ11)

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… 先約 sgi ページ11

sgi→｢｣貴方→『』1500文字で妄想してみた

．
華やかなドレスに身を包んで
大きな拍手に囲まれる

私は今日政略結婚をします

私は好きな人にだけ政略結婚の事を話していた

彼とは中学の時の幼馴染で大学で再開した
片想いして半年が過ぎようとしている

｢はあ？政略結婚？！｣

ジョッキを片手に赤らめた顔で声をはりあげて
周りのお客さんに見られる

『…まあ、御曹司と』

｢ふーん、良かったじゃん。金持ちと結婚できて｣

私の好きな気持ちも知らないくせに軽々しく言う彼に
今までに無い苛立ちを覚えて涙が出てきた

『そんなんじゃないです』

お金を置いて店を後にした。これが3日前の話
須貝さんには連絡も招待状も送らなかった

好きな人とも喧嘩して政略結婚させられて
色々な思いが込み上げて準備室で1人泣いてしまった

スタッフ『Aさんお時間です』

ドアの向こうからスタッフの声
メイクが台無しにならないように涙を拭いて式へ向かう

もう彼には二度と会うことは無いだろう

ゆっくりとひかれたロードの上を歩く
拍手の中に小声もチラホラ

私は正式にこの人の家政婦になる
新郎は私のベールをめくる

その時重い式場のドアが開いた

スタッフ『お客様！！おやめ下さい！！』

｢A！｣

現れたのは須貝さんだった
スタッフを押しのけて私の元へ走ってくる

会場が騒ぎ出して新郎側の親族の目が一気に私に集まるがお構い無しに私は須貝さんの所へ走った。

『須貝さん、…』

｢政略結婚なんて認めるかよ。ほら、行くぞ｣

須貝さんは泣きそうな私をお姫様抱っこして
新郎に向かって声をあげた

｢こいつ、俺と先約あるんで！｣

そう言って走り出す須貝さんの顔は
今までで1番かっこよかった

今も忘れられない夫婦の思い出