…ミス izw ページ5
｢｣→izw 『』→貴方
･
『ほんっっとうに ごめんなさい !』
オフィスに響く私の声
今日は最大のミスを犯した 。
福｢よくある事だよ、気にしないでいい｣
須｢Aがミスするなんて珍しいな、……あとは｣
｢……｣
皆が励ましたり慰めたりしてくれる中
彼だけはイライラした様子でパソコンとにらめっこ
このミスが発覚して伊沢さんにこっぴどく
怒られて 思わずその場で泣いてしまった所に
皆が集まってきたのだ 。
須｢おい…お前いつもそんな怒んないだろ？
なんか今日変だぞ 、しかもAは女の子だぞ？
そんなきつく当たんなよ…｣
｢ミスしたのは事実 。そんなんじゃ困るんだよ、｣
須貝さんを睨むその表情を遠くのソファから
涙目を腫らしてぼーっと見ていた 。
･
福｢仕事熱心な所は褒めるんだけどなー…｣
そう言いながら福良さんが私の横に来て
暖かい缶のココアを渡してくれた 。
『……ありがとうございます。
本当にごめんなさい 』
福 ｢俺らは全然迷惑かかってないし、カバーできるような小さなミスだったから大丈夫だよ、Aちゃんが謝る必要ない、 ｣
福良さんの優しさに
更に涙がこぼれる 。
福｢伊沢…本当に変だな、なんであんなにAちゃんだけに……？Aちゃん、何か知らない？｣
最近 伊沢さんがイライラしているのは知っていて
近づきづらかったので 原稿の確認は他のライターさんにお願いしていたし、撮影の時もなるべく一緒にならないようにしていた 。
『……分かんないです 。もしかしたら、私のことが……嫌いで、それで、クビにされちゃう、かもしれない……です、』
不安な気持ちが私を襲って また涙が溢れてくる 。
福｢そんな事ないよ、クビになんて絶対ならないし
俺がさせないよ 。……あ、今日はもうあがっていいよ、｣
夜風が涙で腫れた目にしみる 。
明日は行きたくない ″ そんな思考に辿り着く 。
私は伊沢さんの事が好きで、
ずっと憧れで 伊沢さんみたいになりたかった 。
｢……嫌われたかなあ、｣
再び涙が溢れてくる 。
ﾋﾟﾛﾝ ッ
鞄の中のスマホが鳴る
みると 伊沢さんからだった 。
開くのが怖くて しばらく考えていた 。
月が1人の私を嘲笑うかのように照らす
クビならクビでいい 。また怒られていても仕方ない
そんな思いで 画面を開いた 。
イザワです、よろしく!いつもありがとう!今どこ?
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作者名：s | 作成日時：2020年3月8日 10時
