幸せな生き方。4【橙】

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蓮side





亮にぃの言葉に反省しながら、冷えた康二の手を握って見守った。


発作の目眩のせいで吐き気ももちろんだが、呼吸がかなりキツそう。

出かけていた翔にぃが帰ってくるなり、なかなか使うことがない、自宅療養用の酸素マスクが康二の口元にあてられた。


翔太)薬追加した？

亮平)うん。だけど、効き目ないね

康二)ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ、ｹﾞﾎｹﾞﾎｯオエッ、ｵｴｯ

翔太)康二、大丈夫だからな、出しちゃいな



久しぶりに、こんなに症状が酷い康二。

翔にぃが細かく酸素の量を調節しているが、顔色は最悪で、まだまだ辛そうなのは続きそう。


胸を撫でてあげてた手を、頭に持っていき撫でてあげると、少しだけ目が開いて、｢れんっ、｣言ってくれたような気がした。

蓮)昨日はごめんね、
今日は俺と一緒にいような。


聞こえてはいるみたいだけど、返事は返ってこなくて、また目をつぶると再び涙がこぼれていった


枕は涙で濡れていて、まだシミを大きく広げている。


翔太)点滴追加しようかな

蓮)病院じゃなくて大丈夫？

翔太)自宅療養範囲内かな、、、。
しかも今日は相葉先生いないから、他の担当の先生だと康二が素直に自分の症状言えないんだよね、、

蓮)そっか、、翔にぃは今日夜勤？

翔太)違うよ

蓮)よかった。翔にぃがいてくれるなら安心だ

翔太)蓮も、康二にとっては横にいてくれるだけでとても心強いと思うよ


点滴も入れて酸素マスクもつけてる姿は、入院してる姿みたいで心苦しい。

ここまで辛い症状が続くと、家の中でもちょっとみんな落ち着かなくなってきて、なんやかんやで康二の部屋に集まっている。

康二)ﾊｧ‐、ﾊｧ-、ﾊｧ-、ﾊｧ-、いっ、ﾊｧﾊｧ

辰哉)頭痛酷くなってきたね

ラウ)睡眠薬入れてあげようよ。ずっと苦しくて寝れてないんだよ...可哀想だよ...

蓮)翔にぃだめ？

翔太)う〜ん、この後また他の薬を入れたくなった時に睡眠薬と相性悪いやつ多くてさ。

ラウ)鎮痛剤は？

翔太)もう入れてあるんだよね

ラウ)なんで効かないの？

翔太)康二はどの薬も合いにくい体質で、色々変えてみてはいるんだけど、使いすぎるとまた合わなくなってきたりするんだよ。
もう少ししたら、体力の限界で眠れるはず。


みんなで、体をさすってあげたり、看病してると、やっと症状が落ち着いてきて、眠ることが出来たみたい。

時刻はもう少しで日にちをまたごうとしていた。

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