92 ページ6
哀『たいした傷じゃないけど、最近のものね』
コナンは、ボロボロになったスマホの画面をタップしたが、やはり完全に壊れていて反応はなかった。
手首を返してスマホの裏を見ると、破片がパラパラと落ちる。
コナン『多分車に乗ってて事故に遭い』
貴方『頭を怪我したんでしょうね』
コナンと桃香の言葉に、哀は顎に手を当てた。
哀『だとすると、外傷性の逆行性健忘…』
そこまで口にして、ハッと気づく。
哀『え?何で車に乗ってたってわかるのよ?』
と目を丸くする哀の横で、コナンは持っていたスマホをベンチに戻した。
コナン『このスマートフォンが完全に壊れる程の衝撃を受けてるし…』
貴方『それに…見てくださいこれ。車のフロントガラスの破片です』
そう言って、桃香とコナンはベンチに落ちていたガラスの破片を手に取って見せた。
哀『運転中に頭をぶつけたって事?』
コナン『その車、割と古い車種だろうな』
貴方『最近の車はガラスが飛び散らないようにフィルムが挟んでありますからね』
指を動かすと、粒状になったガラスの破片がキラリと光る。
コナンは左手でハンカチを取り出し、ガラスの破片を包んでポケットに入れた。
コナン『それに、彼女の体から微かにガソリンの臭いもする』
哀『あ、ホントね』
貴方『ガソリンの臭いはお姉さんからだったんですね』
女に近づいてクンクンと臭いを嗅ぐ哀の横で、コナンは考えに沈んだ。
ーガソリンの臭い、車のフロントガラスの破片、頭の傷、完全に壊れたスマホ…。
(もしかしたら、昨日の大規模な停電と何か関係が…)
貴方『…(昨日零さんが帰って来た時、RXー7がボロボロだった。やっぱり昨日の大規模な停電に零さんも関わってるんだ。)』
コナン『桃香!おい!桃香!!』
貴方『え…?あ、ごめんなさい。ちょっと考え事してました…(コナン君には伝えるべき?いや、まだかな…)』
コナン『大丈夫か?無理すんなよ?
それより…お姉さん。他に何か持ってない?』
コナンが尋ねると、女は「え?」と自分の両手を見た。
女『他って言われても…』
コナン『例えばポケットの中とか』
女はタイトスカートにポケットが付いているのを確認すると、立ち上がって左右のポケットに手を入れた。
女『これは…?』
左ポケットに入っていたカードの束を取り出し、不思議そうにまじまじとカードを見つめる。
49人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
9Sに殺されたいロリコン - いつも思うの鳩ぽっぽー (2019年9月7日 15時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 私も二がいいです (2017年9月27日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
自由狐(プロフ) - 2がいいです( ・ ω・ )(アンケートの時だけ来てすいません) (2017年9月27日 23時) (レス) id: bbf60e75fb (このIDを非表示/違反報告)
友姫(プロフ) - りんさん、ありがとうございますこれからも楽しんでいただけるように頑張りますね(*^^*) (2017年9月22日 23時) (レス) id: ca7f04bc18 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてます (2017年9月22日 22時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:友姫 | 作成日時:2017年9月22日 21時