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子供たちはエレベーターホールのソファーに座り、オセロを再開した。
元太の隣には女が座り、テーブルを挟んで歩美と光彦が並んで座っている。
歩美『はい!』
歩美は白の石を打ち、隣の黒の石をひっくり返した。
元太『次はどこがいいかなぁ』
元太が悩んでいると、女は「そうねぇ」とオセロ盤を見た。
女『こことかどうかしら?』
元太『よし!』
元太は女が指差したマスに黒の石を打ち、挟まれた二つの白の石をひっくり返した。
元太『どうだ!』
と得意げに腕を組む。
歩美『どうしよう』
光彦『困りましたね…』
歩美と光彦が困っていると元太は「やったな!姉ちゃん!」と嬉しそうに言った。
歩美と光彦がオセロ盤を見つめて、うーんと考え始めると元太は「あ、そうだ!」とポケットに手を入れた。
元太『はい!これ、姉ちゃんにやるよ』
ポケットから出したのは、博士がコナンから預かった色が塗られていないイルカのキーホルダーだった。
女『これ…』
歩美『ダーツのとこの人が後でくれたんだよ』
光彦『好きな色を塗ってくださいって』
オセロ盤から顔を上げた歩美と光彦が言う。
女『いいの?本当に貰っちゃって』
元太『おう!だって姉ちゃんは命の恩人だからな!』
元太がニカッと笑うと、歩美はポケットから自分のキーホルダーを取り出して見せた。
歩美『お姉さん。これで皆とお揃いだね!』
光彦『ですね!』
元太『おう!』
光彦と元太も自分のキーホルダーを取り出す。
女『本当だ…お揃いね』
女は持っていたキーホルダーを子供たちのキーホルダーに近づけた。
それぞれ色は違うが、同じイルカのキーホルダーだ。
女『ありがとね、皆』
女は嬉しそうに微笑んだ。
光彦『所でどんな色に塗るんですか?』
歩美『赤?ピンク?』
光彦と歩美が訊ねると、元太は女のキーホルダーを見てうーんと考え込んだ。
元太『俺なら黒く塗ってシャチっぽくするけど、姉ちゃんは黒より白の方が似合ってると思うぞ』
以外な意見に、女は「え?」と驚く。
元太『髪の毛も白いし、白ならそのままでいいからお買い得だしよー』
光彦『元太君、それ間違ってますよ』
歩美『なんかバーゲンセールみたーい』
光彦と歩美に指摘された元太は「いいじゃんかよー」と頬を膨らませた。
そのやり取りを見て、女がふふふと笑う。
子供たちもつられてあはははと笑いだした。
ソファーに手をついて足をバタバタさせながら笑っていた元太は、手をつるりと滑らせた。
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9Sに殺されたいロリコン - いつも思うの鳩ぽっぽー (2019年9月7日 15時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 私も二がいいです (2017年9月27日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
自由狐(プロフ) - 2がいいです( ・ ω・ )(アンケートの時だけ来てすいません) (2017年9月27日 23時) (レス) id: bbf60e75fb (このIDを非表示/違反報告)
友姫(プロフ) - りんさん、ありがとうございますこれからも楽しんでいただけるように頑張りますね(*^^*) (2017年9月22日 23時) (レス) id: ca7f04bc18 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてます (2017年9月22日 22時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:友姫 | 作成日時:2017年9月22日 21時