ここ何処だよ((3【名探偵コナン】『降谷零/安室透』 (ページ39)

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夕日を反射して水面がキラキラと輝くシュプレー川を、一隻の遊覧船がゆっくりと進んでいた。

橋をくぐると、やがて左手にベルリン大聖堂が見えてくるー。

大聖堂のある中洲には五つの博物館・美術館があった。

その中の1つーギリシャ神殿のような外観をもつペルガモン博物館の裏を走っていく女がいた。

サイレンサー付きの銃がピシュと微かな音を立て、女の足元に弾を撃ち込む。

女は足を止めた。

ウォッカ『おいおい。
どこまで行くつもりだ？猶予は一分と伝えといたはずだぜ』

銃を構えたウォッカが言うと、女は睨み付けた。

女『言ったはずよ。
私はノックではないと！！』

ジン『ならば、白黒つけようじゃないか』

背後から声がして、女はハッと振り返る。

建物の陰からジンがゆらりと歩み寄って来た。

ジン『なぁ、リースリング』

長い前髪から覗いた目がギラリと光り、女ーリースリングは身を強張らせた。

ジンが三人の横を流れるシュプレー川を見る。

ジン『向こう側とこちら側、立場をはっきりさせようじゃねぇか』

ジンもリースリングに銃口を向ける。

ジン『お前の他に我々の中に紛れ込んでいるネズミの名前を吐け！！』

ウォッカはリースリングを見て言った。

ウォッカ『さっさと吐いちまえよ。
苦しみたくねーだろ？』

リースリング『何度も言わせないで！私はノックじゃない。
ー脅しても無駄よ、ジン！！』

再び前を向いたリースリングに、ジンがニヤリと笑う。

ジン『脅し…？俺がそんな可愛い事をすると思うか？』

リースリング『！！』

その残忍で冷酷な目と冷ややかな口調に、リースリングの身の毛がよだつ。

ウォッカ『五秒前』

ウォッカのカウントダウンと同時に、リースリングの左足が１歩下がった。

素早く左に回り、川に向かってダッシュするー。

ウォッカ『四、三、二…』

ジンは追う事なく冷静にカウントダウンをしながら、銃口の向きを変えた。

ウォッカ『ゼロ！』

ジンが放った銃弾が、川へ飛び込もうとしたリースリングの頭に命中した。

水面に浮かぶ死体を確認し、ジンに向かって頷く。

ジン『行くぞ。急げ』

と歩き出すジンに、ウォッカは｢どちらへ？｣と訪ねた。

ジン『日本だ』

ウォッカ『！！まさか！？』

ジン『…残るは二人…』

そう呟いたジンは、フッと口の端を持ち上げた。