ここ何処だよ((3【名探偵コナン】『降谷零/安室透』 (ページ18)

今日:18 hit、昨日:4 hit、合計:43,532 hit

104 ページ18

元太『も…駄目だぁ…』

壁を掴んでいた元太の左手が離れた。

するとー女は掴んでいた元太の右手を離した。

元太『うわぁー！！』

元太が落下すると同時に、女はつかまっていたガラスの壁から手を離して飛び降りた。

すぐさま壁を蹴り上げて大きくジャンプし、観覧車を支える巨大な鉄柱に向かって飛ぶ。

鉄柱に着地した女は、その湾曲した面を一気に滑り降りた。

そして再び大きくジャンプして落下する元太を空中でキャッチすると、元太を抱き抱えてスカート状に傾斜した壁を回転しながら降りてきた。

コナン『大丈夫か！？元太！！』

貴方『怪我してないですか！？』

コナンと桃香、哀が駆け寄ると、女は気を失っている元太の肩を掴んでい叫んだ。

女『元太君！大丈夫！？しっかりして！！』

その切迫した顔を見たとたんー哀の心臓がドックンと大きく波打った。

女から感じる、ゾクリとした独特な感覚。

昔の記憶を呼び起こすこの感覚は、まさかー。

女が必死に声をかけるて、やがて元太が目を覚ました。

元太『あれ？どうして姉ちゃんが…』

女『良かった。無事で…！』

女はホッとした表情で、元太の頬に手をやる。

その表情を見ていると、哀の激しい鼓動が徐々に静まっていった。

貴方『大丈夫ですか？哀？何か怖い顔してるみたいですが…』

哀『え、ええ…大丈夫よ…。』

哀は、そう答えたが、桃香はじっと哀の様子を見ていた。

元太『あ、そっか。俺、上から落っこちたんだ！』

元太がようやく状況を理解すると、係員たちが駆けつけてきた。

係員『大丈夫ですか！？お怪我はありませんか！？』

元太『姉ちゃんが助けてくれたから大丈夫だぞ！』

良かった、と係員が胸をなで下ろす。

係員『念の為、医務室の方へお出で下さい』

元太『えー、俺いいよ。痛くねーし…』

元太が断ろうとすると、哀は「駄目よ！！」と間、髪を容れずに言った。

哀『ちゃんと診てもらいなさい』

コナン『そうだぞ。今は平気でも』

貴方『後から痛くなったら大変ですよ？』

コナンと桃香に言われて、元太は「はーい…」と仕方なさそうに頷いた。