195話 ページ5
「フィガロ先生、フィガロ先生！」
「どうしたの？いつもイザベラの後ろに隠れてるのに今日は積極的だね」
「あ……えっと……」
賢者の魔法使いなの、とかミチルやルチルさんの話しても不審がられるだけよね。
今の私たちは魔力を持たない王女と、王子を見に来た医者なんだから。
「ううん……なんでもないです」
「そう？じゃあまたね、イザベラの可愛い姫君」
よしよしと頭を撫でてフィガロ先生は歩いていく。
その後ろ姿をただぼうっとみていた。
「っ！？」
瞬間、後ろから誰かに抱きすくめられる。
抵抗も出来ないまま、どこかへ連れていかれた。
目を覚ますと真っ暗な部屋に私とお兄様がいた。
……フィガロ先生は？お母様はどうなったの？
「いままでイアルだけで実験したから上手くいかなかったんだ、この子達は2人で1人。一緒に月の魔力を注ぎ込めばもしかしたら……」
そこに立っていたのは父親だった。
ああ、そうだわ。そうだ。
順番が違ったの。
私が最後まで生き残ってお母様とお兄様を看取ったんじゃない。
＿＿＿＿＿＿私とお兄様が一緒に逝ったのよ。
魔法陣が発動した瞬間、体が動かなくなる。
本当なら今私の心臓は止まったの。
意識があるのは魔法で過去を見てるから。
魔法陣の上で息絶えた私と石になったお兄様のもとに誰かが駆けつけた。
「A！！イアル！！なにが厄災よ！何が世界よ……こんな世界……っ、呪われてしまえばいい……！！」
この時、イザベラは強く願った。
自分はどうなってもいいからまだ肉体のあるAにもう一度人生をと。
蘇生など魔法であっても出来ないと言われている。
しかし願いはかなってしまった。
月の石に、賢者の魔力、そして兄の石。
それらが合わさってAは息を吹き返したのだ。
＿＿＿心臓は止まったまま。
Aが目を覚まして見たのは石になった母と兄の姿だった。
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灯油マン(プロフ) - マリーさん» 200話を経てようやくムルが思い出しました！そう言って頂けて嬉しいです！ここから少しずつ登場調整しつつ、話を進めて行きます！ (2022年8月28日 5時) (
レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 占ツク開く頻度が減ってるので返信頂いてたの気づきませんでした！ありがとうございます！ムルが思い出して夢主ちゃんに弟子って言ってくれたの嬉しい(TT)作者さん並びにこの作品のファンは私含めてちゃんと見ているはずですので安心してください(^^ゝ！ (2022年8月27日 0時) (レス) id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - マリーさん» 盛り上がってまいりました！コメントありがとうございます！全然来ないので不安になっていたところでした！救われました！頑張ります！ (2022年8月19日 10時) (レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - わ〜！わ〜！良い感じになって来たあー！！ (2022年8月19日 8時) (レス) @page11 id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯油マン | 作成日時：2022年8月5日 9時
