106話 ページ10
ジロジロ見てすまなかったね、とヴィーのパパは困ったように笑い食事の支度に戻った。もちろん落としたトマトはごめんなさいしてゴミ箱に捨てて。
｢ヴィル、お茶を人数分入れてくれるかい？｣
｢ええ、わかったわ｣
｢Aさんはそこの棚からお皿を出してもらえるかい？｣
｢はーい｣
料理はヴィーのパパに任せて私とヴィーはお手伝いをする。ただ、この家……すべてのものが高いところにあるから手が届かないのよね。
食卓から椅子をお借りして登れば、ヴィーのパパがじっと見てにこやかに笑った。
｢どうしたの？ダッド｣
｢いやぁ、懐かしくてね。昔ヴィルもこうやって椅子にのぼってお皿を取っていたなと思ってさ。今はもう僕と変わらない身長になったからしなくなったけど｣
いやぁ可愛かったなぁ、あの頃のヴィルは……と話す顔があまりに幸せそうでエリックさんはヴィーのことが大好きなんだと分かってこっちまで幸せになってくる。
｢高い高いしてあげようか？｣
｢それは遠慮しておくわ｣
｢ダッド……さすがにやめてあげて……｣
｢ヴィルは喜んでくれたんだけどな｣
｢昔の話でしょう！？まったく……いつまでも子供扱いしないで頂戴｣
｢僕にとってはいくつになっても子供だよ｣
ダッドを超えれるなんて思ってないけどアタシもう18よ？
そろそろ大人扱いしてほしいわね。
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軽油の人(プロフ) - 深い水に足跡を。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。これからもご愛読いただけるよう頑張ります！ (5月16日 8時) (
レス) id: cb73de7f61 (このIDを非表示/違反報告)
深い水に足跡を。(プロフ) - ストーリーもイラストも大好きでいつも読ませていただいてます。応援してます！ (5月15日 21時) (レス) @page5 id: 35bc9d7cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：軽油の人 | 作成日時：2023年5月15日 11時
