123話 ページ27
その後は通常の授業で、気づけばもうお昼の時間。
今日は何食べようかな……ヴィーたちは専用メニューだけど、私はどっちでもいいって言われてるし……。
「A！昼餉の時間じゃ！食堂に行くぞ！」
「リリア！行く！……ヴィー、また5限目にね！」
「……リリアと食べるの？」
「え？」
ぼそりとヴィーが呟いた。
その目には一切光がなくて、茨の谷に来たあの日みたい。
「ヴィル、たまにはわしらにも会わせてくれんとな？こやつは《まだ》我らが王の臣下じゃぞ」
「それもそうね。《あと少し》のことだけど、今日くらい譲ってあげる」
ばちりと二人の間で火花が散ったがAは全く気づいてない。本当に鈍感なやつじゃ。
……しかし、わしとしたことが見誤ったかもしれん。
ヴィル・シェーンハイトという男の素性を。
もうちょっと大人びていて落ち着いた奴だと思うておったが、NRCの中でも類を見ないほど嫉妬深いように見えた。
「のう、A」
「なに？」
「ヴィルはお主に対して危ないことはしておらんな？」
「危ないこと？ぜんぜん！リリアみたいに優しくしてくれてる」
「そうか、それなら良い」
すまん、A、もし逃げたくなったらわしが地の果てまで連れてってやる。だから、もし、あやつの愛を受け止め切れるならあやつについていくんだぞ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
軽油の人(プロフ) - 深い水に足跡を。さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。これからもご愛読いただけるよう頑張ります！ (5月16日 8時) (
レス) id: cb73de7f61 (このIDを非表示/違反報告)
深い水に足跡を。(プロフ) - ストーリーもイラストも大好きでいつも読ませていただいてます。応援してます！ (5月15日 21時) (レス) @page5 id: 35bc9d7cdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：軽油の人 | 作成日時：2023年5月15日 11時
