茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ9)

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56話ページ9

その日以降不届き者が来ることはなく無事に学園に戻れた。だが、魔法警察から伝えられたことはアタシ1人では判断できない案件だった。
どうするか悩んだけどやっぱりこうするのが1番よね？

「マレウス、リリアちょっといい？」

「ヴィル？」

「どうした？」

この2人に判断を求めること……これしかないわ。

「単刀直入に聞くけど、レイペア家って恨まれてるの？」

「なぜじゃ？」

リリアは不快そうに眉間にシワを寄せる。その眼前に1枚の書類を差し出した。

この間の誘拐犯……その捜査で聞かれたことをリストアップしたものだ。

「ホリデー中、サイハテ出身の蛮族がAをさらいに来た。もちろん撃退したけど、そいつらが言うには自分たちは雇われただけ……レイペアの跡取りを連れてこいと言われて事に及んだらしいの」

しかも証言を聞く限り、連れてこいと命令したのは同じ妖精だったとか。
その言葉にリリアは目を見開く。なにか思い当たることがあるのね？