茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ46)

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93話ページ46

翌日も朝から書庫にこもって読書をしていると、ヴィーが｢ねえ｣と声をかけてきた。

｢なに？｣

｢例えばの話だけど……一生目覚めない眠り薬は作れるの？｣

一生目覚めない眠り薬……？それって死なのでは……？
もしくは眠った状態で一生を終えさせるってこと？

｢……そうね……近しいものなら作れると思う｣

妖精の羽とドワーフの爪……あとマンドラゴラの根と、ヒドラの唾液とか希少な材料が必要になるし、成功するかもわからないけど。

｢そう……｣

｢作ってみたいの？｣

｢ええ、できるなら｣

｢上手くいくかは分からないけど……やってみる？調合室なら地下にあるから｣

｢いいの？｣

｢もちろん｣

ずっと使ってなかったし、たまには使わないとね。

火の精霊たちにも着いてきてもらって私たちは地下へ移動した。
定期的に風の精霊が掃除してくれてるけど、埃っぽい場所ね。

ぱっぱっと手で払って実験器具を机に並べた。