茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ45)

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92話ページ45

｢Mira、Mira…今この時、いちばん美しいのは誰？｣

美しいメンション数第1位を検索します。
検索結果ヴィル・シェーンハイトです。

｢なにそれ？みら？｣

｢…AIよ。聞いたことをある程度なんでも答えてくれるの。今この時、アタシが世界で1番美しいのよ｣

｢うん。私ね、あの景色より美しいものって見たこと無かったの。でも、ヴィーとあの景色を見比べた時、ヴィーの方が美しいなって思ったわ。どれだけ神秘的な風景より、現実離れした情景より…ヴィーがなにより美しいよ｣

｢ありがとう｣

期末テストのせいで不機嫌だったけど今日のヴィーはご機嫌そう。

その日の晩はお互いの寮の話をして過ごしていた。

｢それでね、その時ルークが…｣

｢ポムフィオーレ寮は賑やかなのね｣

｢ええうるさいくらいよ｣

ポムフィオーレ寮の様子を動画で見せてもらいながら身を寄せ合う。暖炉があっても茨の谷の冬は寒いからこれくらいでちょうどいい。

ヴィーがケアしてくれたから同じ匂いのする髪を合わせて夜の10時まで笑い明かした。

こんなに楽しいウィンターホリデーは久しぶりだわ。