茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ43)

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90話ページ43

｢ヴィル先輩いらっしゃったんですか｣

｢…アンタは…シルバー？｣

｢はい、ではA殿。俺は帰りますね｣

｢うん、仕分け手伝ってくれてありがとう｣

ヴィーが来る前に見られてはいけない書類を片付けろとリリアに言われてお手伝いにシルバーを預かったのだ。
二人でやったおかげで3日で終わって助かったわ。

｢この部屋に薬学書があるから好きなの読んでいいよ｣

｢…すごい、これ全部？｣

壁1面に本がびっしり。どれも古くて歴史を感じる。

どれから読もうか見ていると1冊の本が目に止まる。

｢この世に存在する毒薬｣という本。

｢毒薬の本もあるのね｣

｢ええ、妖精は毒に弱いから研究してたの。はい、紅茶｣

｢ありがとう。これ読んでもいい？｣

｢ここにある本は全部読んでも大丈夫、でも持ち出しは厳禁ね｣

｢わかってるわ｣

椅子に座り本を開く。そこには学校では習わない禁忌の薬や、妖精一族にのみ伝わる毒薬の作り方や効能が書いてあった。

すごい、この毒薬にこれを入れるとこうなるなんて…！

初めて知ることばかりで本を読む手は止まらなかった。