茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ42)

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89話ページ42

期末テストから2週間、ようやくウィンターホリデーがやってきた。
鏡の間には生徒が集まり賑わっている。

｢それじゃあ3日後連絡したらアンタのユニーク魔法で飛ばしてくれる？｣

｢うん、任せて！｣

｢A！帰るぞ！｣

｢待ってリリア！じゃあね！ヴィー！またホリデーに｣

マレウス率いる茨の谷の5人にみんな距離をとる。
それを気にした様子もなく鏡に手を当てるのはさすがだわ。

ウィンターホリデーはいつも仕事か父と過ごしていたけど、クラスメイトと過ごすのは初めてかもね。

アンタの故郷、楽しみにしてるわ。

5人が転送されたのを見送ってから自分も鏡に手を当てた。

それから3日後、メッセージアプリで｢準備できた｣と送ればすぐに手鏡に吸い込まれた。

｢ヴィー！いらっしゃい！｣

そして輝石の国より倍は寒い茨の谷に数秒で瞬間移動していた。

｢薄着すぎない！？たくさん着てきてって言ったのに…はやく入って、凍えて死んじゃうわ｣

｢…こんなに寒いと思わなかったのよ。輝石の国も寒い方だし…お邪魔するわね｣

踏み入れた屋敷は昔撮影で使ったお城並に広かった。ここに1人で住んでるの？