茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ5)

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52話ページ5

夕方まで撮影をして大道具を1度学校へ移動する。そしてアタシたちは近くのホテルへ向かった。

噂通り丁寧な接客と綺麗な個室。そして美味しい夕食を頂いて皆それぞれの部屋へ散っていく。

アタシはAについていき、窓やドアを確認して廊下へ出た。

「いいこと、今夜は絶対に部屋から出ないで。誰にノックされてもよ。もしアタシの声がドアの向こうからしても決して開けてはダメ。リリアの声でもよ。何かあったらメッセージを送りなさい」

「……え、うん、なにかあったの？」

「念の為よ。わかった？」

「わかった」

「じゃあおやすみ、明日の朝８時に迎えに行くから8時までは何があっても開けちゃいけないからね。それと窓やドアノブにも触っちゃダメよ」

「え？……うん、わかった」

どこまで念のためなんだろ。
ヴィーは心配性なのね。

ガチャりとドアを閉めてベッドに倒れ込む。

そうだ、今日のことリリアに話そう。