87話 ページ40
その後、サバナクロー寮の出場は見合わせとなったが被害者たちが出場させて欲しいと懇願して出場が決まった。
…去年より騒がしいマジカルシフト大会は去年と同じようにディアソムニア寮の圧勝で幕を閉じた。
「これで良かったのか？リリア」
「うむ。マレウスも王になるなら臣下を上手く使わねばならんぞ」
この作戦をたてる数日前にリリアに言われたのだ。
Aはわしと歴戦を共にした英雄じゃ。あのように弱いモノ扱いされたらプライドが傷つくに決まっておる。
もっと上手く使え。あやつは有能な補佐じゃぞ。
あくまで対等に接するんじゃ。
…と。
だから今回の作戦は彼女に任せたのだ。
僕はお前を下になど見ていないし、仕事を任せられるだけの力があると信用していると…伝えるために。
「Aのユニーク魔法は昔…レイペア一族の恥と言われておってな…あまり自身のユニーク魔法を好いておらんのじゃ」
「？、便利な魔法だと思うが？」
「レイペアは王に楯突く他属を処刑するのが役目。あのように逃がす、逃げるを得意とする魔法はバカにされたんじゃ。特に先代のレイペア卿のユニーク魔法がああも強い魔法だと見劣りする」
「先代のレイペア卿はどんなユニーク魔法だったんだ？」
「魔導銃の弾丸を自在に操る魔法じゃ。広範囲だろうが距離があろうと空に向けて1発打つだけで半径1キロの敵は倒れておったわ。…もちろん味方には傷1つ付けずにな」
「ほう。それは強い魔法だ。戦争の頃には重宝されるだろう」
「うむ。だからかの。Aは自分に自信がない。こんな魔法しか使えないが口癖になっておる。あやつの魔法とて使い方によっては強い魔法じゃ。…マレウス、お主が頼ってやるだけで少しは自信になるはず…これからもあやつに仕事を任せてやってくれ」
「レイペアの魔法に合う仕事があれば…そうしよう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：軽油の人 x他1人 | 作成日時：2023年5月4日 6時
