茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ39)

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86話ページ39

「……うわっ！」

さっきまで開けた場所にいたのに急に壁にぶつかって周りを確認すれば学園長とマレウス・ドラコニアが腕を組んでいた。

「え〜っと…？」

「ほう…面白いな。人の動きを操るユニーク魔法か。もちろん僕には効かないが…魔法耐性のない市民や防衛魔法の得意でない生徒は弾けないだろう」

うわぁ、全部バレてるスね。
でもいきなりこんな場所に飛ばされるなんてどうして？
ディアソムニア寮長と副寮長が神出鬼没なのは知ってるっすけど、それって他人にも適用可能なわけ？

「他寮の生徒に怪我を負わせただけでなく魔法増強剤まで飲むだなんて！あぁ、嘆かわしい…こんなことが世間に知れたら学園の評判はガタ落ちしてしまいますよ！」

「う…」

なんでバレたんだ…？
サバナクロー寮に裏切り者がいる？
そこまで考えた時にジャックの顔が頭をよぎる。

「ジャックくん…すか？」

「ん？」

「ジャックくんがこの計画をあんたらに話したんすか？」

「いいや？僕はローズハートから聞いたぞ」

「えっ？」

「私がローズハートくんに依頼したのです。学園で起きている連続傷害事件の犯人を探して欲しいと…彼はしっかり真相にたどり着きディアソムニア寮へ行ってくれました。そして今回の作戦を立て、実行した…なのでハウルくんは関係ありません」