茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ38)

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85話ページ38

「…、なんだ？ラギーのやつ…まだ始めてねえのか？」

「ラギーは学園長に捕まったわよ」

「まったく…この様な場で何を考えておる！さらには無関係な市民まで巻き込もうなど…愚行すぎて言葉もないわ！」

「なんだと？」

ラギーのやつ、証拠だけは残すなと言ったのにいちばん面倒くさいやつに捕まりやがって。
どうするか。この場なら俺が加担した証拠はない。
ラギーがひとりで勝手にやったといえばまかり通るだろう。

…いや無理だな。それは相手がクロウリーだった場合の話。

俺は王族だし何かあれば兄貴から支援を貰えるから許されるだろうが、トカゲ野郎の腰巾着どもは違う。
自身の仕える王へ絶対の忠誠を誓い、その御身が害されようものなら命をかけて守る奴らばかりだ。

バレるならもう少し別の形が穏便だったな…。

「はいはい。うるせーなぁ、結局けが人はいねえんだろ？だったらいいじゃねえか」

「何が良いのだ？わしらが手を加えねば人が人を押し、ドミノ倒しになり最悪の事態もあったのだぞ？」

「仮定の話だ。それが現実に起きたわけじゃない」

その言葉にリリアは「これは説教が必要じゃのう」と真っ赤な目を光らせた。

私知らないわよ。リリアのお説教は本当に怖いんだから。
まともに聞く気のないレオナに対してリリアのお説教は1時間ほど続いた。