茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ37)

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84話ページ37

作戦と言うまででもないが、作戦はこう。

Aのユニーク魔法でマレウスに持たせた手鏡に地点を登録する。そしてラギーが動きを見せたら学園長のそばに居るマレウスのもとへ犯人を送るというもの。

もちろんマレウスと学園長には、ラギーの魔法が市民へ届かないくらい離れた場所に居てもらって、だ。

「ではの、A、頼んだぞ」

「リリアも気をつけてね」

下にいたら少なからず巻き込まれるだろう。
リリアならどうにでも出来るけど、もし万が一にも巻き込まれたら嫌だから。

キュッと手を握ってから空へ飛び上がる。

ラギーがよく見えるところはどこかしら？

…あ、…この辺り、かな。

ラギーが何かを飲んだ瞬間、空まで魔力が伝わってくる。
そして群衆が体を乗っ取られたような動きを見せた。

「妖精の悪戯！！」

マレウスのところへ飛んでいきなさい！

ほんの数秒、市民は動きを奪われたが「あれ？」「気の所為？」と辺りを見回す。

よし、市民の安全は大丈夫そうね。

…ラギーのことはマレウスが相手するから、私とリリアはレオナの元へ向かった。