茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ26)

今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:18,305 hit

73話ページ26

もともと私は強い魔法使いだった。しかし致命的に魔法制御が下手でブロット蓄積待ったナシだった為、魔力抑制の首飾りをリリアに貰ったのだった。

…魔力が減った今つけてる必要も無いのにつけっぱなしだったわ！
これがあるから急に変身魔法も使えなくなったのね。

首飾りを外せば前ほどとはいかなくとも最低限ディアソムニア寮生として遜色ない魔力が湧き上がってくる。

「それで変身魔法を使えるのね？」

「…あ、えっと」

「それはやめた方がいいのう」

「あらどうして？」

ヴィルの言葉にリリアは即座に反対する。
その理由はAもよく分かっている。

「こやつの変身魔法はちと特殊でな。内臓に至るまで全て変えられるんじゃ。そのせいで魔力消費も莫大。ここまで魔力が落ちた今使うのは推奨せん」

「…私も維持できないと思う。あの魔法は妖精族の無尽蔵な魔力がないと出来ないものだから…今後のことも考えたら魔力は温存しておかないと」

シルバーのおかげで身を守るだけの魔力は取り戻した。
…しかし、これは妖精族として最低限であることに変わりはない。

下手な使い方は身を滅ぼすわね。