茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ22)

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69話ページ22

「ていうか…アンタたち長年の付き合いなんでしょう？なんでそんなに分かり合えないの？」

リリアの口ぶりからして2人は100年以上共に生きてきたはず。アタシやルークですら2年の寮生活で意思疎通を取れているというのに何故？
折り合いは付けられないの？

「ふん、知るものか。そこの引きこもりは屋敷から一切出てこなかったからな」

「…次期国王だけど、マレウスは私の領地にはただの1度も視察に来ないから話す機会も無かったもの」

戦争の多かった時代は屋敷をあけていたが、マレウスが生まれた頃ちょうど平和になった。
そのせいで私は屋敷から出る用事がなくなり引きこもり。
マレウスは城から1番離れたレイペア領まで行くことはなくお互いが100年間ほぼ会っていなかったのだ。

「リリアが行くなと言ったんだから仕方ないだろう」

顔を背けてマレウスは腕を組む。

「じゃあもしかして何か用事がある時…リリアを伝書鳩に使ってたってこと？」

「まさか。リリアにそんな事させるわけないわ」

「僕だってそんなことさせてない」

「「リリアに話したらいつの間にか伝わってた」」

2人合わせて言った言葉に「それを伝書鳩扱いと言うのよ」と言ってあげる。