茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ3)

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50話ページ3

「……うん、わかった」

「じゃあお昼だしご飯食べに行きましょ……って、アンタは要らない？結構食べてたものね」

「うん」

「そんな暗い顔しない。シャキッとしてないと嫌よ」

軽く背中を押して屋台が立ち並ぶ通りへ連れていく。
飲食店に入るよりここで買い食いした方が良さそう。

案の定直ぐに周りへ興味が写ったようであれは？これは？とキョロキョロしていた。

「ヴィー！あれはカエルの形した飴？」

「あれはカエルの串焼きよ」

「か、かえるの……串焼き！？人間はそんなものを食べるの……」

一部の人だけね？主食だと思わないでちょうだいよ……？

さすがにあれは食べれないと首を振るAのあとをついていく。

「……」

気のせいかしら？誰かに見られてる気がする。
ヴィル・シェーンハイトを見る好奇の目ではなく、それこそ監視するような視線。

この人の多さじゃどこからか分からないのが残念ね。

「ヴィー！あれは？」

「それは牛串ね」

「これにする！」

「そう、他はいい？」

「うん」

「牛串2本ちょうだい」

あいよー！と元気のいい店主が焼きたてを渡してくれる。
なかなか美味しいじゃない。こういう食事は昔父と各地を飛び歩いてた時によくしてたわ。懐かしい。