茨の谷の反逆者 Ⅱ (ページ12)

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59話ページ12

「マレウスよ、どの道これ以上家柄など気にしても仕方ない。Aを就職するよう導くしかあるまい」

「……僕が言って聞くものか。守るつもりで言っても嫌そうな顔をされるだけだ」

「それもそうじゃのう……わしから言うても意固地にさせてしまうだけじゃし……………………」

ここまで国のために献身したのにこの扱いとは！とあやつなら泣きかねん。そうなると意地張って駄々こねてややこしくなる。

もっと穏便に、あやつの方から茨の谷を出たくなるようにしなくては。守るためとはいえ言っていることは酷なこと。伝え方を間違えたらすべて終わりじゃ。

「そうじゃ、ヴィル。お主がどうにか出来んか？」

「え？アタシ？」

「うむ。谷のやかましい連中にはそれとなくAで末代だと伝える。その間に外の世界へ興味を持つよう仕向けてくれ」

「……そう言われても……」

「頼む！わしらが下手に仕事を進めると勘ぐられてしまう
。お主がそれとなーく興味を引くような誘い方をしてくれればいいんじゃ！」

「なに難しいこと言ってんのよ！アタシに丸投げしすぎよ！第1そっちの国の問題に巻き込まないでよ！」