124話 ページ29
シャイロックのフワッとした物言いは本人すら混乱しているのを物語っていた。
適切な言葉が見当たらないようで。
「ええと、前にムルが言ったんです」
いつもの屋敷でムルと議論していた時、ふとムルの机にある本に目がいった。
本人に許可を得て中を見るが謎の言語がびっしりと書いてあり何一つ読めなかった。
「これはどこの言葉でしょう？」
「それは言葉の最終形態だよ、今のところね」
「と、いうと？」
「今の言葉は効率が悪い。文法にしろ、文字にしろ無駄ばかりだ。そこで俺は考えた。1番効率のいい言語とはなんだろう、と。200年と少し考えて考えて考えてようやく見つけたんだ。シャイロック、人間はいつかその言語にたどり着くだろう。それまで俺たちが生きていられたら君にも俺の手記が読めるかもしれない」
「貴方が考えた言語程度、さっさと解読してみせますよ」
そう大口を叩いてみたが、私は1文字たりとも読めなかった。
規則性や類似点を探しても何も見つからない。
「言ったろう、効率的だと。根本に今の言語を覚えている君に、この言葉は読めない」
それは貴方も同じでしょうムル。全く憎らしい。
「という訳で、私は今まで何度かこの文字を見ましたがさっぱりわかりませんね」
「今のムルに聞いても覚えてないだろうし…どうしよう」
「Aは？あの子はムルの弟子だ。もしかしたら読み方を知っているかもしれない」
オズの一言に「それだ！」と返してAを呼びに行く。ラスティカの部屋にいるから集まったのに呼んだら本末転倒だが仕方ない。
呼んできて文字を見せれば「読めます」と即答してくれた。
「じゃあ読んでもらっても」
「フィガロ、だめだ。術式は詠唱すると発動する場合がある。ここに書き出してくれ」
そう言えばAは全く同じ文字を書き写す。
「写すんじゃなくて公用語に書き換えて欲しいんだよ」
「え、公用語？」
「そうそう。みんなが使ってる文字だよ」
「…これ、公用語じゃないんですか？」
「え？違うよ、君がファウストの部屋で読んだ紙に書いてあったのが公用語だよ」
「え、えっと…」
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灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！早起きですね！4もありますよ！ (2021年12月5日 8時) (
レス) @page50 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 3終わりましたね……めっちゃやばかったです、過去編が楽しみすぎる。4が出るのを楽しみに待ってます！ (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！面白いと思い続けて貰えるように頑張ります！！ (2021年11月30日 12時) (レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 灯油マンさん» いえいえ！こちらこそ、語彙力がないので上手く感想を口にすることが出来ないんですけど、読んだら感想を言いたくなるお話なので… (2021年11月30日 5時) (レス) id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» お久しぶりです！！ありがとうございます。わたしもなかなか更新できてませんでしたので！いつも本当にありがとうございます。 (2021年11月29日 9時) (レス) @page2 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯油マン | 作成日時：2021年8月1日 11時
