118話 ページ23
＿＿＿＿でも、確か、このあと私の濡れ衣は晴れることになる。
そっと私の肩に手が触れた。
「どいつもこいつも愚か者だな」
「ムル、さま！」
私の肩を包み込むほど大きい手でギュッと握ってくれる。私はこの手が大好き。
お母様より少し骨ばってて冷たくてたまに怪我をしてるこの手が。
「なによ、この私が見たというのに何か文句があるのかしら」
「もしも本当にAがやったのなら、なんでブローチはまだ壊れたままなんだ？こいつは魔法使いだ。壊したなら直せる。それが出来てないということは壊した人は魔法が使えないってこと。そんな6歳児でもわかることがお前ら大人に分からないのか？」
使用人たちは何も言わない。
わかるとか分からないとかそういう問題ではないから。
この王宮で生きていくには長いものに巻かれることの大切さをよく理解してる。
「A」
「は、はい、ムル様」
「お前じゃないと証明するために直してみろ」
ムルさま！私まだ修復魔法は使えません！教えてもらってないです！
アリアたちに聞こえないよう小声でいえば思い切り睨まれる。
「俺の弟子なんだから出来る、いいからやれ」
「か、カルティーアネルザ」
目の前のブローチが直ってアリアは何も言わずにその場を立ち去った。あの日私は習ってない修復魔法をつかえてムル様に褒められた。そのあと何回かやったけど出来なくて「魔法は心で使うものだから強く願わないとそんなものだ」とムル様は言っていたけど、今日、10年越しに知ってしまった。
あの時ムル様は本当に小さな声で「エアニューランブル」と呟いていた。
私を助けるためにムル様は魔法を使ってくださったのね。
ねえ、ムル様。
私にも魔法で、誰か救えますか？
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灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！早起きですね！4もありますよ！ (2021年12月5日 8時) (
レス) @page50 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 3終わりましたね……めっちゃやばかったです、過去編が楽しみすぎる。4が出るのを楽しみに待ってます！ (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！面白いと思い続けて貰えるように頑張ります！！ (2021年11月30日 12時) (レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 灯油マンさん» いえいえ！こちらこそ、語彙力がないので上手く感想を口にすることが出来ないんですけど、読んだら感想を言いたくなるお話なので… (2021年11月30日 5時) (レス) id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» お久しぶりです！！ありがとうございます。わたしもなかなか更新できてませんでしたので！いつも本当にありがとうございます。 (2021年11月29日 9時) (レス) @page2 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯油マン | 作成日時：2021年8月1日 11時
