21人目の魔法使い〜フィガロルート〜 (ページ10)

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この攻防は勝てないと思い知り、Aを医者見習いとしてそばに置くことに決めた。
今年の厄災は弱まっていたから魔法舎での共同暮らしは解散。

南の魔法使いは全員揃って厄災からちょうど1ヶ月後の今日、帰国した。

……1人増えた状態で。

「どうでしょう、似合いますか？」

「とてもお似合いですよ！」

病院で働くのだから落ち着いた格好でとフィガロ先生に言われてこの服を選んだ。
落ち着いていて、看護師さんみたいでしょう？

「では、よろしくお願いします！」

「うん、まあ、最初だから見ててね」

医療行為は下手にやると命に関わる。一人一人丁寧に診察することが大切なのだ。
今日は俺が帰ってきたこともあり、おしゃべりに来るお年寄りやココ最近調子の悪かった人など沢山の患者さんが来院してくれた。

全員を見終わったころには夜の9時を過ぎており、大幅な残業になってしまった。

「はー、今日は疲れた……」

「ここ片付けますね！」

「うん、ありがとう」

消毒液につけた器具を片付けてその日は2人で家へ帰った。