21人目の魔法使い〜フィガロルート〜 (ページ3)

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「……フィガロ先生が眠らせてくれるなら、ちゃんと10年後に起こしに来てください。そう約束していただけるなら、私はあなたの魔法で眠ります」

「…………はぁ〜、俺の10年とAの10年は重みが違うんだから、簡単に飲んじゃダメだよ。……今の全部冗談だから気にしないで。体に問題なさそうだったら部屋に戻ってもいいよ」

「今夜はここにお世話になっていいですか？」

「もちろん」

その後はさっきまでの空気が嘘のように当たり障りない会話をして眠りに落ちた。

翌日。

「フィガロ先生！！」

ミチルとルチルと話していればAが走ってきた。

2人は息ぴったりのタイミングで「もう動いて大丈夫なんですか！？」なんていうから、俺たちは笑ってしまった。

「それで、どうしたの？俺に何か用？」

「はい！私を医者見習いとしてそばに置いてください、お願いします！」

「え？いや……」

「まあ！ということは南の国へいらっしゃるんですか？」

「僕たちのお家に泊まりに来ますか！？」

「いいんですか！？ぜひ！」

きゃっきゃと3人が盛り上がる中、俺は内心焦っていた。
まさか、本当に俺を生かすつもりなのか？

…………。はぁ、しょうがない。人に頼むか。