21人目の魔法使い〜フィガロルート〜 (ページ20)

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村中探したけどどこにも居ない。
あとはあの森の中だけなんて言われてしまい泣き崩れた。

もっと早く森を探していたら良かった。

もし魔獣に遭遇してたらあの子じゃ勝ち目はない。

アリス、どうか、……どうか森にはいないで。

絶望の中森へ入ろうとしたら暗闇の中から声が聞こえる。その声は紛れもなく娘の声だった。

「お父さん！お母さん！！」

そして、娘を抱いているのは＿＿＿他でもないオズさんだった。

「魔獣に食べられる寸前だったぞ」

「オズさん……っ娘を、娘を助けてくれてありがとうございます！！」

急いで自分の腕に抱きしめてお礼を言う。
オズさんが居なかったら夜には冷たくなった娘を泣きながら抱き寄せることになっただろう。

「オズありがとう、どうして南の国に？」

「…………、この子が生まれた時……魔法をかけた」

「初耳なんだけど」

なんの魔法？と聞けばオズはしばし黙ったあと、「守護魔法……」と呟いた。

「かけた対象に命の危険が迫った時、私に予感として知らせる魔法だ。子供はどれだけ大人しく賢い子であっても…少し目を離すと予想外の行動をするとアーサーの時学んだ。……だから、この子もいつか冒険をして危険な目に合うだろうと思ったんだ」

オズさんは1度も口にはしないけど、フィガロ先生の魔力が落ちていることに気がついてるんだろう。
だからフィガロ先生が娘を守れない時守ろうと魔法をかけてくれたんだ。

何度もお礼を言ったが「気にするな」と一蹴して帰っていった。
探してくれた皆にもお礼を言って私たちは3人で家に帰ることが出来た。