21人目の魔法使い〜フィガロルート〜 (ページ19)

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学校の宿題で使う植物を野原まで取りに来た。
そしたら見たこともない綺麗なキツネを見つけて後をついて行った。

あのキツネ捕まえたらお母さんに飼っていいか聞いてみよう。

「キツネさん待ってー！うちの子にならない？美味しいご飯あげるよ！」

木の幹を乗り越えて、川を亘って茂みをかき分けた先は進入禁止と言われた森だった。

それに気づいたのは陽の光が届かず薄暗くなった場所で、どっちから来たのかすらも分からなくなっていた。

「……あれ、キツネさんも……いない……」

急に心細くなって当たりを見回せばガサガサ、と茂みが揺れた。

「キツネさん！？そこにいるの？」

よかった、としゃがみこんだ時、暗い森がさらに暗くなって振り返る。

そこには4メートルは超える化け物が佇んでいた。

これがお母さんの言ってた魔獣？

どうしよう、魔法なんてほとんど使えないのに。

心拍が急上昇し、死を覚悟した瞬間、魔獣が腕を振りかぶってフルスイングした。