21人目の魔法使い〜ブラッドリールート〜 (ページ5)

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だが姫さんは怯むことなく俺を見て｢ブラッドリーさん、大丈夫ですか？｣と聞いてきた。

はっ？なに西の魔法使いの分際で俺様を心配してやがる？

｢なんだか辛そうな顔をしていたから｣

｢……｣

その時ふと思い出した。ずっと昔、財宝を求めて城を渡り歩いていた時幼い女の子に助けられたことがあった。

西の国の1番でかい城に住んでたそいつは魔力もねえただの人間の姫だったが、この俺を恐れることも無く｢大丈夫？お兄さん……｣なんて舐めたことをいってハンカチを渡してきたっけ。

そんなもの渡すくらいなら宝石を渡せよ、と怒れば｢これなら……｣と安っぽいアクセサリーを渡してきた。

そのガキに姫さんが重なってさらに嫌な気分になった。

どいつもこいつも俺をモヤモヤイライラさせてんじゃねえよ。

｢姫さん、次俺の心配なんて馬鹿みてえなことしたら容赦なく手にかけるぞ｣

そういった俺に何故か姫さんは悲しそうな顔をして｢ごめんなさい、私、まだ生きたいです｣と言った。

｢……んだよ、その湿気た面は｣

｢ブラッドリーさんが優しくて、苦しくなったんです｣

｢意味わからねえこと言うな｣

｢だって石にするとおっしゃって、石にしたことないじゃないですか｣

その言葉を聞くが早いかブラッドリーさんは足早に立ち去った。