21人目の魔法使い〜ブラッドリールート〜 (ページ14)

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｢ただいま、これ食糧な、｣

｢おかえり！！ありがとう｣

冬の山は危険だからいつもブラッドリーさんが買い物に行ってくれる。
だから私はこの家でのんびりアトラと暮らせているのだ。

｢わー！お肉だ！野菜も沢山ある！今夜はゴロゴロお肉のシチューにしましょう｣

｢おおいいな｣

｢……｣

服を脱ごうとしたところで視線を感じる。
視線の先を見ればアトラが睨むように俺の事を見ていた。

｢なんだ？言いたいことでもあるのか？｣

｢ねえお母さん！やっぱり僕にしてよ！ぜったい幸せにするから！｣

俺の目の前をするりと通り抜け姫さんに息子はそう言う。
やっぱり僕にしとけだ？
どこでそんな言葉覚えてきたんだか。

｢自分の魔法でこんな怪我してるガキが偉そうなこと言うな｣

｢痛い！｣

アトラは俺の子なだけあって、魔力は申し分ないが……いかんせん、姫さんの遺伝子が強く魔法操作能力が壊滅的なのだ。

姫さんはまだ魔力がそんなに強くないからいいけど、アトラの魔力量でこのまま行くと山1つ無意識に吹き飛ばしかねないから危険なんだよな……。