21人目の魔法使い〜オズルート〜 (ページ9)

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捕らえられた日の夜には魔法舎に戻れた。お仕着せから部屋着に着替えて、カインさんや心配して来てくれたフィガロ先生たちの元へ向かった。

「ここが襲われる可能性もあるから、俺達もしばらく魔法舎に滞在しようかな」

「そうですね、攫われてしまっては大変です！」

「兄様と僕がそばに居ますからAさんは安心してくださいね！」

「いざとなったら兵士くらい蹴散らしますから」

南の魔法使いの皆さん、やはり優しい。

ありがとうございます、とお礼を言えばオズさんが複雑そうな顔をしてこちらを見ていた。

どうしたのだろうと見つめ返せばしばらく沈黙したあと、重い口を開いた。

「………、…私の城に来るか？」

オズさんのお城？それって北の国の？

急にどうしたのかな。

よく分からず首を傾げれば「すまない、忘れてくれ」と口早に言って歩いていってしまった。

「私が王宮に帰れないから気を使ってくれたんでしょうか？」