番外編 白狼と天使とハリネズミ ページ14
ｰ公園ｰ
｢ｸｩ〜ﾝ…ﾜﾌｯ……｣
公園のベンチにちょこんと座っている小さな白い狼。
ピンと立っていた耳と尻尾は項垂れ、落ち込んでいる様子が見てわかる。
白い狼……ハクは非常に困っていた。
椿の為にダッツと稲荷寿司を買いにと外に出たが、迷子になってしまったのだ。
(どうすれば良いのさ……)
？｢！ あれは……っ！｣
？｢ちょっ、リヒたん！？
何処行くんスか！？｣
ベンチでうんうんと唸って考えていると、
後ろから足音と声が聞こえた。
ハクは目を見開き、固まる。
(………！？)
何故なら目の前に、羽根がついているリュックを背負った男の人が立っていたから。
後を追うように、いかにもチャラそうな男の人も出てきた。
？｢ちょ〜っとリヒたん！？
勝手に突っ走らないでほしいんスけど！？｣
？｢狼さん……！｣
？｢話聞いて！？｣
？｢うるせぇ黙れ死ね！
死ぬまで死ね！｣
チャラそうな男の人を蹴り飛ばして、狼のハクを抱き上げる。
ハクは少し驚いて尻尾と手足をパタパタさせるが離してくれる様子もないため、暴れるのを止めた。
｢ﾜﾌｯ…ﾜﾝﾜﾝｯ！｣
ﾘﾋﾄ｢狼さん…！ 可愛いな……！
俺はリヒト・ジキルランド・轟だ｣
ﾛｳﾚｽ｢ちょっ、リヒたん！
オレの事無視しないで！？
動物に喋っても意味無いッスよ！
可愛いのはこのロウレスちゃんっス！｣
羽根がついているリュックを背負った男の人はリヒトと言うらしい。
そういえば最近良くテレビで見かけるな、と頭のなかで独り言を呟く。
(ロウレス……確か椿にぃがここ数日、口にする言葉だったな…)
挨拶の代わりに自分を持ち上げているリヒトの指を少し舐める。
すると、リヒトは途端に目をキラキラさせる。
ﾘﾋﾄ｢…！ 狼さんは俺の言葉が分かるのか……？
クズネズミより賢いな……！
おいクズネズミ、狼さんを会場に連れていくぞ｣
ﾛｳﾚｽ｢え、えぇ！？ 駄目ッスよ！｣
ﾘﾋﾄ｢てめぇの意見なんざ聞いてねぇ、行くぞ｣
ﾛｳﾚｽ｢えぇ！？｣
｢ﾜﾝﾜﾝｯ！｣
リヒトはハクを優しく抱き締め、公園を離れていく。
その後ろを走って追いかけてくるロウレス。
ハクは少し困惑しながらリヒトの腕の中で大人しくするしかなかった。
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猫 - 真祖 85 「クロは日光で人になって」→「クロは日陰で人になって」か「クロは木陰で人になって」だと思います。 (2019年8月20日 16時) (
レス) id: 7b6f9874b2 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
零番目の空虚(プロフ) - 閲覧、コメントありがとうございます。いろいろとぐだり始めている感じがするので、閲覧してくれる方に読みやすいように頑張っていきます！ありがとうございます！ (2017年8月20日 21時) (レス) id: 4fb706b0bf (このIDを非表示/違反報告)
道化師ロキ - とっても面白いです！続き楽しみにしています (2017年8月20日 20時) (レス) id: 091673db49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リズ | 作成日時：2017年8月19日 13時
