真祖 90【8章】 ページ13
ｰ祭りｰ
漆黒の闇の中に輝く星達。
その空より今夜は明るかった、祭りだ。
様々な屋台が並んでおり、浴衣を着た人達や私服で着た人達で賑わっていた。
その祭りの日、真昼は｢祭 実行委員｣という羽織り、左手に２つに折られた紙を持っている。
真｢えっと…すみません
この先は祭りで通行止めなんです
お車でお越しの方は離れた駐車場があるので＿…
…っていうか｣
真｢……御園んちの運転手さんですよね？｣
洞｢いやーチビ共に頼ま(ﾊﾟｼﾗｻ)れて来たんすわ
わたがし15個 たこやき10個 クレープ15個……等々｣
車から顔を覗かせたのは有栖院の運転手、洞堂。
片手に頼まれたものが書いてあるリストが握られていた。
洞｢遠い駐車場までいくのは…ねぇ…？｣
買ってきてくれない？とでも言うような声色で話す。
真昼は暫く無言になるが、｢買ってきます！｣と言って洞堂のリストを貰い屋台の方へ駆けていった。
真｢どうぞっ｣
洞｢助かったすわー｣
綿菓子の袋や、たこ焼き等が入った白い袋、5、6個はあるヨーヨーを抱え洞堂の車まで走ってくる。はーはーと息も荒い。
洞堂は真昼が買ってきた物を受け取ると、来た道を帰っていった。
ｸﾛ｢契約した事業内容以上のことを率先してやる…
さすが残業大国ニッポン……仕事しすぎ｣
真｢お前いつの間に祭り満喫してんの！？｣
真昼は洞堂が帰っていった後、迷子になった子の身内を探したり
サイフを落とした老人を助けたり、花火の場所取りを手伝ったり……。
本来の事業内容より倍の量を積極的に行っていた。そのため余り祭りは満喫できていなかったのだ。
少しため息を吐いて橋の地面に座る。
クロが持っていたかき氷を貰い、一口食べた。
真｢打ち上げ花火そろそろかなー
この辺は見づらいから人も少ないや｣
ｸﾛ｢余計なことまで手ぇ出すからだろ
ここで交通整理だけしときゃいいのに｣
真｢クロはすぐそーやってめんどくさがる…
でも…結局ここまで何も起こらなかったな…｣
＿起きたとすれば文化祭の時＿
＿桜哉があの場所から飛んで何処かへ行った後＿
＿｢真昼…｣ ｢？ どうした？｣＿
＿｢ありがとう、真昼｣＿
＿｢桜哉を救ってくれて｣＿
真(…なんて、今にも泣きそうな顔で言われたんだよな…)
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猫 - 真祖 85 「クロは日光で人になって」→「クロは日陰で人になって」か「クロは木陰で人になって」だと思います。 (2019年8月20日 16時) (
レス) id: 7b6f9874b2 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
零番目の空虚(プロフ) - 閲覧、コメントありがとうございます。いろいろとぐだり始めている感じがするので、閲覧してくれる方に読みやすいように頑張っていきます！ありがとうございます！ (2017年8月20日 21時) (レス) id: 4fb706b0bf (このIDを非表示/違反報告)
道化師ロキ - とっても面白いです！続き楽しみにしています (2017年8月20日 20時) (レス) id: 091673db49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リズ | 作成日時：2017年8月19日 13時
