練習 ページ5
例えば
例えば今僕がいきなり触れたら
君はどんな顔するんやろ…って
良からぬ想いが頭に浮かんでしまった
丸「…じゃあさ、練習する？」
A「練習？？」
丸「そ。ドキドキしないための、練習」
なんちゅーこと言うてんねん、僕
断れ、断れ……
A「それええなぁ♪するっ！」
……あぁぁ……
ここで天然ちゃんが出できてもうたかぁ……
A「……しないの？丸ちゃん」
きゅんっっ///
…そんな上目遣い アウトやて……//
あかん、男・丸山に
火ついてまうよ
丸「……A、」ｷｭ
僕の顔色を伺う君の手をとって
ゆっくり指を絡めたら
A「っ……////」
君の頬が段々と赤く染まっていって
僕の心をキュッ…と締め付けた
A「これ…あかんなぁ…///」
あのAが僕にドキドキしてる
少しでも僕のこと 男として見てる
なんて最高の気分
丸「このまま帰ってみる？(笑)」
A「えぇぇ……///」
丸「練習やねんから、慣れないと」
嫌や
慣れて欲しくない
A「…そっか、そうやんな…//」
A「練習、練習……//」
僕との練習だけ
僕との練習だけでええよ
本番なんていらん
君の手に触れるのは 僕だけでいい
そこから家に着くまで
夜に近づいてきた 静かな住宅街を
ずっと手を繋いで帰った
僕の一歩後ろで
君は赤くなったままで
話すときに僕がチラっと顔を見ようとすると
照れてもう片方の手で顔を隠そうとする君が
可愛くて 可愛くて
抑えきれない 君への想いが
喉のあたりまできているのを
飲み込もうとせずに
もし、もしも伝えるなら
このタイミングやったりして……
A「…丸ちゃん、丸ちゃん！」
丸「んぇっ？」
A「うち、着いたよ」
あれ、ほんまや
今日はえらい早かったなぁ…
丸「じゃあ…また明日やね」
A「うん…」
A「あの…さ、」
丸「ん？」
A「丸ちゃんは…ドキドキせんかった？」
ドクン
丸「ぇ…」
A「………な、なんちゃって！」
A「するわけないやんなぁ？(笑)こんなガキんちょ相手に(笑)」
A「何でもないから、忘れてっ(笑)」ﾀﾀﾀｯ
そう言うと 勢いよく離れた手
去っていく後ろ姿
僕の手には まだ
君の感触が残ってた
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作者名：Noa | 作成日時：2020年9月29日 10時
