エイト ページ10
村「あいつら、同業やな」
丸「完全にこの子のこと 狙ってたな…」
横「手紙の"守ってやって下さい"ってのは、文面通り、ってことか…。」ﾁﾗ
マックの視線の先には、元気にミルクを飲む赤ん坊と
愛おしそうにその子を抱いているAがあった。
A「…ねぇ、この子に名前つけへん？」
安「"この子"じゃ呼びにくいもんなぁ」
大「…じゃあ、エイトは？」
安「エイト？？」
大「そ。この店と同じ名前」
A「エイトかぁ…ええなぁ」ﾆｺ
丸「お？なんや〜〜ええ名前つけてもろて〜」ﾀﾀﾀｯ
A「エイト〜♪」ﾌﾟﾆ
エ「んぐっ んぐっ」
安「飲むのに必死でかわええなぁ(笑)」
村「…あの子の母親と、やっぱりちゃんと話した方がええな」
横「仕事と母親再捜索に赤ちゃんの世話。忙しなるで〜」ｶﾞﾀｯ
マックは立ち上がり、エイトの方へゆっくり歩いていった。
横「お前のことは、兄ちゃんらが守ったるからな。」ﾎﾟﾝ
母親に見捨てられたエイトに
マックは自分を重ね合わせていたのだ。
A「よし！そうとなれば、明日からどうする？」
横「エイトの世話は当番制や。仕事と当番が被った日は、仕事にエイトを連れて行くこと。」
錦「まじかよっ」
横「それから、俺とヒナはしばらく母親探しに集中したい。その間、俺らの仕事を皆で分担して行って欲しいんや。」
丸「りょーかい♪」
安「あれ、確か信ちゃんの明日の仕事って…」
村「あー…それやねんなぁ…」
大「なになに？」
村「悪徳不動産の噂があってなぁ。その情報収集 兼ねて、副社長に近づくつもりやってんけど…」
渋「殴り込みに行ったらあかんやつか。」
村「あかんあかん。最終的な殴り込みの前に気づかれずに接近したいねん」
錦「ほんなら俺とすばるくんは無理やわ。手出してまうし、態度でバレるし。」
村「せやねんな、だから俺が行こうと…」
大「副社長って男やろ？俺の口説きも無理か…」
A「ほんなら私行くよ。」
渋「…」ﾁﾗ
そういえば最近忙しくて忘れがちやったけど
まだこいつとちゃんと話せてないわ
こいつが、エイトルールにずっと背いて
俺らのために 体張ってること。
と、アーセナルはAを見て思っていた。
止めるなら今しかない、
だけど皆に理由を話せない以上、止めるのに良い口実など彼には浮かばなかった。
A「任せて？」
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作者名：Noa | 作成日時：2020年8月18日 0時
