○ モノグラム３ (ページ4)

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離れんといて４ページ4

ASIDE

ポイってソファに投げつけられて

皆の前で説明を求められたけど

まだまだ子供やった私は、怒ってる信ちゃんと横ちょの間すり抜けて

そそくさと自分の部屋に閉じこもった。

バレてもうた、どうしようっていう気持ちと

今日見た光景、銃向けられたこと、丸ちゃんの目が脳内に次から次へと浮かんできて

頭の中ぐっちゃぐちゃやった。

コンコン

丸『A』

丸『ちょっとお話しよ？』

丸『鍵、開けてくれへんかな』

こういう時、絶対来るのはすばるくん。

でも、この時は丸ちゃんやった。

A『…丸ちゃんだけ？』

丸『せやで』

A『…』ｽｯ

ガチャン

丸『…お邪魔しまーす』ﾊﾞﾀﾝ

丸ちゃんは、ドアを閉めて

丸『…何か言うことは？』

って、真っ直ぐな瞳で聞いてきた。

A『…ごめん、なさい』

丸『何に対して？』

A『…勝手についていって、丸ちゃんの、デビュー戦…嫌な思い出にしてもうて……』

丸『……は～～～』

丸ちゃんが、ゆっくり、私の方に近づいてきて

パチンっ

A『痛っ』ﾋﾞｸｯ

軽～く、ほんとに軽めにほっぺたを叩いた

やけど、その時の目は

あの時と同じ、冷たい目やった。

丸『俺のデビュー戦とかどうでもいいの』

丸『Aが、自ら死に行くようなことしたのがあかんねんで？』

おでことおでこ、ぴったりくっつけて

そう言った時の丸ちゃんの目は

少し、涙で潤んでた。

丸『…怖かったやろ？俺らのあんな姿見て、銃向けられて、』

A『…っ…』ｳﾙ

丸『…もうあんな事せんといてな。』ｷﾞｭ

あったかかった。

心まで全部包み込んでくれるように、丸ちゃんが私のことを優しく抱きしめてくれたのが

すごく、あったかかった。

A『ごめっ…丸ちゃ…っ』ﾎﾟﾛ

丸『…』ﾖｼﾖｼ

A『丸ちゃんが…っ仕事するってなってからねっ…』

A『なんかすごく…寂しくて…っ』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

丸『A…』

A『急に丸ちゃんが大人になった気がしてっ、距離ができてる気がしてっ』ﾎﾟﾛ

A『離れんといてって……っ』ﾎﾟﾛ

A『そぅ…思ったの……』ﾎﾟﾛ

丸『…そっか』ﾖｼﾖｼ

言いたいこと全部

他の皆も、長瀬くんのとこに通い詰めで

自分だけが置いてかれてる気がしてるのも、全部吐き出して

丸ちゃんは全部、受け止めてくれた。