○ モノグラム３ (ページ27)

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鬼ページ27

ASIDE

A「…そっかぁ。私も、章ちゃん利用してるからお互い様やなぁ」

安「えー？(笑)」

A「章ちゃんの優しさ最大限に利用して、すばるくんにフラれたの、忘れようとしてるもん」

安「…それは、お互い様やねぇ…」

A「…ごめんね？」

安「なんでよ～っ僕でいいならとことん使って？失恋の痛みは分かるつもりですよ♪」

私は好きやから付き合おうと言ってくれた人を利用してる

自分の傷癒すために章ちゃんを傷つけてる

すばるくんに失恋した私を見てきっと章ちゃんは失恋してる

それでも笑顔で慰めてくれる章ちゃんは

いくらそれがフリだろうが何だろうがやっぱり優しいことに変わりなくて

安「まぶた近めに冷えピタ貼って～」ﾍﾟﾘ

安「はい、できた♪寝れそう？腕枕する？」

この人を好きになれたら

好きになれたらいいのに

A「…くっついて寝てもいい？」

安「…おん、いいよ」

腕枕に甘えて章ちゃんの胸元にぴったり頬をくっつけると

章ちゃんの鼓動が早くなっていった

どれだけ近づいても足先を絡めても

章ちゃんは絶対いらんことせんくて

安「…我慢、我慢…」

A「…ゃっぱ離れる？」

安「あかんよ、僕のこと最大限に利用するんやろ？」

安「……渋やんやと思ってギュってしてくれていいねんで？サイズ感変わらへんし(笑)」

辛いやろうにこんなこと言っちゃうこの人を

好きになれたら、好きになれたら…

安「A、おはよぉ♪」

安「目ぇあんま腫れんくてよかったなぁ」

いつの間にか朝になってた

今日は確か、日曜日

安「マルも亮も、横ちょも信ちゃんもAのこと気にしてたで？」

安「エイトの母親に会いに行く前に元気な姿見してあげてな？」

A「うん…せやな」

安「…あと、またなんかあったら頼ってね？」

安「利用し合いっこしましょ♪」

利用し合いっこて…(笑)

A「うん、章ちゃん……ありがとう」

きっと告白の返事をするなら

お付き合いをお断りするなら昨日やった

やけどこんなに章ちゃん利用しといて

そんなこと言えるほど私も鬼やない

じゃあすばるくんが好きやのに

章ちゃんに同情して付き合うのは？

それこそ鬼やんな。

どうせ鬼になるならどっちの鬼？

横「おはよ。昨日、大丈夫やったか？」

A「心配かけてごめんね？もう平気やから」