聞いちゃう渋谷２ ページ17
渋SIDE
おまっ、酒くっさぁ……
A「な、なに聞いてっ」ｺﾞｼｺﾞｼ
渋「こないだは聞かんといてあげたやん。今日はその分とことん聞いたろ〜思てな？」
渋「ほんでどうなん？毎回色仕掛けの仕事の度に お前、体使ぅてんのか？」ｸﾞﾋﾞｯ
A「っ…」
もう俺にはとっくにバレてもうてんねやから
隠さず 全部さらけ出してまえや
お前の全部 受け止めてやるから
全部許して 受け止めてやるから。
A「……毎回、ちゃうもん…」ｸﾋﾟｯ
渋「もうちょい、詳しーく。」ｸﾞﾋﾞｯ
A「…まず演技して 簡単に吐くような相手ならしないけど、手強い時は…その手を使ったり…」
渋「今日は？」
A「………」
A「…し、てない」
渋「正直に。」
A「…してない…」
渋「嘘つき通すんやったら、このこと横に報告するけど。」
A「しましたっ！！」ﾊﾞｯ
渋「…やっぱり。」ｸﾞﾋﾞｯ
なんかそんな気ぃしたわ。
あの副社長騙すの相当難しいってヒナから聞いてたから。
A「…すばるくぅん…」
渋「そんなトロ〜ンとした目で見ても質問やめへんで。」
渋「お前、こんなんするようなったん いつからや。」
A「…っ…」
渋「答えるまで俺 ここおるで？」
A「…私が、一回だけ仕事ぶち壊したの、覚えてる？」ﾁﾗ
渋「…あぁ。」ｸﾋﾟｯ
あれは確か、Aが高校卒業して8UPPERSに加わってから２、３年経った頃
うまく情報引き出せなかったAが、始末屋で スパイしてるんが相手にバレて
その後俺ら全員で襲撃する計画まで潰れてもうた。
依頼主にも責任取れって殺されかけて
まぁ正直 この世の終わりやと思ったけど。
今考えたら20歳くらいのA一人に全部背負わせた俺らが悪い。
A「…その時の、仕事こなせなかった、皆に迷惑かけた自分が大嫌いで…」
A「…それから もっとうまく騙すには 相手が油断してる隙を狙うしかないな、って考え出して…」
A「…その次の案件の時に、エイトルールに初めて背いた」
エイトルール、その２
"多数決で決めた事には全員従え！"
Aが体を使って情報収集することは
俺ら全員が満場一致で反対してた。
渋「…で？」
A「信じられんくらい上手くいって、横ちょと信ちゃんにも褒めてもろて…」
A「…初めて皆の役に立てた気がした…」
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作者名：Noa | 作成日時：2020年8月18日 0時
